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2006年07月29日

ミニトマトで窒息!

 今日も新潟では、午後から雨が降るなど、すぐれないお天気でした。梅雨明けまでもう少しおあずけといったところでしょうか。

 上越祭りは今日が最終日。各町内から神社にお米をお納めするお饌米(せんまい)奉納という行事が、そのクライマックスです。今年も勇壮な若者たちの様子を見に、多くの見物客が集まっていた・・ようです(私はテレビで見ただけでした)。

 こんなお天気だと、海水浴という気分ではないですね。風が強く、波もそうとうあります。気温が上がらず、寒ささえ感じます。海の家も開店休業のようです。夏らしい暑さがやってくるのは来週以降。今日の予想では梅雨明けは8月1日になるとか。待ち遠しいですね。

 そんな中、海の事故も起きてしまいました。当地から数十キロしか離れていない柏崎市の海岸で、小2の女の子と65歳の男性が溺れて亡くなるという事故がありました。沖に流されてしまい、戻れなくなったとのことでした。お二人は隣の長野県の方。海のない県ですので、海にあこがれるのかもしれません。こんなお天気の時に、無理をして海水浴をしていたのかもしれません。

 穏やかな海でも、事故の危険があります。ましてや風や波が強いときには、海に入ることをやめる決断力も必要でしょう。防げたはずの事故です。悔やまれます。

 昨日の夕方、テレビの報道番組で見た情報です。ある保育園で、2歳ほどの子がミニトマトで窒息死してしまったとのこと。この園では庭でミニトマトも栽培していて、どうもそれを口の中に入れていて、誤って飲み込み、喉頭にひっかかってしまったようです。

 保育士が見つけたときには、すでに園庭でぐったりしていました。園内に運び、救急車を要請。救急隊が駆けつけたときにはすでに心肺停止状態で、人工呼吸にも反応せず、医師が乗っているドクター・ヘリコプターが出動し、病院に収容しましたが、意識が戻ることなく、亡くなってしまいました。病院での処置の途中で、喉頭に赤い物が見えるということになり、それがミニトマトだったというのは、あとになって分かったとのことでした。

 乳幼児は口の中に入れた物を誤って誤飲したり、それが引っかかった窒息する事故をおこす危険性があります。3歳くらいまでは、豆菓子を与えないようにしてほしいとお願いしているのも、こういった事故を防ぐためです。

 実はミニトマトによる窒息事故は、けっしてまれではないようです。大きさが小さな子でもすっぽり口の中に入る程度。それを噛みきればいいのですが、2歳くらいではまだ奥歯がありません。皮はわりと固く、つるつるとしています。まるでスーパーボールです。それが喉の引っかかってしまえば、呼吸が止まってしまうことは容易に想像がつきます。

 今回、この子の事故を防ぐことは可能でした(あとからでは何とでも言えるのかもしれませんが)。ミニトマトに窒息の危険性があるという知識があれば、園の中で栽培することは適切ではないという判断がされたことでしょう。子どもに近寄らないように話しても、それが完全に実行できるわけではありません。まして、全ての子どもたちの行動を逐一監視することは不可能です。

 さらに、倒れている子どもを見つけたあとの対処です。その原因が気管支異物による窒息であれば、「ハイムリック法」という手技を行うことで、もしかしたら異物を取り除くことができたかもしれません。これは上腹部を圧迫し、横隔膜を押し上げ、肺の中の空気を喉に押しやって異物を押し出させようとするものです。医療従事者だけではなく、一般の方にもぜひ覚えていてほしいし、いざという時にはためらうことなく、その場ですぐに実行してほしい救命の方法です。(「ハイムリック法」については、ネット上で検索できますので、それらを参考にして下さい)

 倒れている子どもを見つけた時にすぐにハイムリック法を実行していたら、もしかしたら助けることができたかもしれません。少なくても、通常に蘇生処置は行うべきでした(やっていたかもしれませんが)。職業として子どもたちを預かる保育士の方は、必ずこの手技を初めとして、いざという時の救急処置を身につけてほしいと思います。

 こういった事故は、おきないにこしたことはありません。どんなところで、どんな事故がおきやすいかを知ることが、予防策を考える基本です。そして、いざという時の対処も、確実に実行できるよう、日頃からの対策が求められています。

 大切な子どもたちが、防げるはずの事故で命を落としたり、重大なけがをしたりしないようになることを切に願っています。

投稿者 tsukada : 2006年07月29日 23:46