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2005年10月05日

予防接種ミスの予防

今朝のミーティングでとりあげた話を紹介します。

今月の予定を確認したのですが、14日からのインフルエンザ予防接種開始が最も大きな課題になると指摘しました。当院で接種を受けていただく方の数はとても多いです。これには理由があります。それは、インフルエンザ予防接種が一時中断するなどして、ほとんど受けられなくなっていた時期に、その重要性を説き、積極的に行ってきたからです。

もう10年近く前になります。日本人の子どもたちはインフルエンザの合併症として脳症をおこすことがとても多いことが問題になったころです。当時の調査では年間で数百人の子どもたちの命が、インフルエンザ関連脳症で亡くなっていました(現在は早期に有効な治療をすることもできるようになり、死亡率は改善されてきています)。

インフルエンザをワクチンで予防しようと患者さんや地域の方にお話しし、それが次第に浸透していったようです。当初はワクチンが不足し、そのための苦労もありました。関東地方の小児科医がわざわざ送ってくださり、希望者の全員に接種できたということもありました。

地元のテレビ局でも毎年のようにスタジオでインフルエンザについてお話をしています。新聞、ラジオなどでも大いに取り上げてもらっています。今ではインフルエンザの予防はワクチンというのが常識になってきていますが、その知識の普及にはそうとう努力をしてきたつもりです。

足かけ3ヶ月間、インフルエンザ予防接種を実施します。その間で、より多くの方に、スムーズに、そして安全に実施するよう、細心の注意を払ってほしいと職員には伝えました。接種にあたって、ワクチンの種類や量などの間違いを起こさないということも、当然のことです。多くの方がこらえると、つい流れ作業になってしまい、漫然と仕事をしてしまいがちです。一連の仕事には複数の職員が関わりますが、確認の作業などを他人任せにせず、一人ひとりの職員が自分の目で見て、考えて、行動することが必要です。接種ミスの予防には特効薬はありません。ただただ丁寧に仕事をするのみです。

ということで、来週の金曜からはいよいよインフルエンザ予防接種が当院でも始まります。子どもたちだけではなく、一緒にいる大人たちも接種を受けて、自分自身もインフルエンザにかかりにくくしておくことがとても大切です。ぜひ受けて下さい。

投稿者 tsukada : 2005年10月05日 23:43

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